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FXのココだけの話

為替レートが乱高下すると為替市場の介入が取りざたされることが多いのですが、実際には金利を上下させてお金の動きを鎮めようとするのが基本的な政策となります。
さてお金が市中に出回った後、金利はマーケットとして動き始めます。金利をビジネスにするのは(公的機関である郵便局は別として)銀行や保険会社、消費者金融、信販会社、リース会社など金利を収益源とする人たちです。
利ざやという言葉がありますが、これは金利収入と金利費用の差のことです。3%のコストの資金を5%で運用すれば2%の利ざやを稼ぐことができます。

従来銀行が安定した収益性を保っていたのはこの利ざや構造が盤石だったからでした。個人や市場から預金を集めて企業に貸し出す利ざやがプラスである限り、またその資金循環のペースが継続する限り収益の安定性は維持されます。
ところが競争の激化や規制緩和、高度経済成長の終罵を契機に個人のお金の行き先は多様化し、企業の資金需要は低下してきたために利ざやは縮小、資金循環の量もスピードも衰えてきました。その結果、銀行の数はそれほど必要ないことが分かってきたのです。
保険会社も同様です。揺らぐ日本の金利ビジネス日本の個人貯蓄は1,300兆円を超え、その60%弱が預貯金に回っています。
銀行は引き続き大量の低金利預金を預かっており、これをどう運用するかで困っているのが現状です。企業貸出は伸びず、債券運用も低金利の継続で思うように金利収入が上がりません。
金融機関の再編は進みつつありますが、バランスシートが単純に足し算されるだけでは根本的な収益構造の改善につながりません。一方で、消費者金融の業績は絶好調です。
金利をどうビジネス化していくのか、同じお金の流通業とはいえ銀行と消費者金融では全く対照的な状況となっています。いくつかの銀行では消費者金融と提携しながら金利ビジネスの再考を始めました。
欧米の銀行では利ざやのみに頼る経営は既に終わっており,再編を通じて金利を積極的にビジネス化しています。後ほど説明するデリバティブや証券化、企業ファイナンスのマーケット化などがその例です。
証券会社は少し違った角度から金利をビジネスにしてきました。株式営業だけでなく、債券や投信販売の営業をもう1つの軸足とすることによって株式市況に左右されない経営体質を築こうとしたのです。
きっかけは国債の大量発行が始まった1980年代からで、国債だけでなく、政府保証債、地方債、金融債、社債そして公社債投信といった金利商品をメニューに加えてビジネスの多様化を図りました。しかし、株式に比べて手数料が少ないことや従来の株式投資家にとって金利商品は魅力が薄かったこと、商品間にあまり差がないこと、金利商品としては銀行や郵便局が圧倒的なシェアを握っていたことなどから、証券会社の金利ビジネスは必ずしも戦略的に成功したとは言えないのが実態です。
米国での債券ビジネスの活性度と比べて、日本の金利関連のビジネスが今1つ盛り上がりに欠けているのは低金利が続いていることにも起因しますが、加えて日本の証券会社に金利ビジネスを育てる意識がやや薄かったことも原因の1つと思われます。後で述べますが、日本の機関投資家は日本円での金利運用に苦しみ、円金利商品の乏しさに困って積極的に欧米への投資を積極化しました。

しかし、結果的には円高という為替の壁に跳ね返されてしまいました。金利のビジネス、あるいは金利をビジネス化するというのは簡単な仕事ではありません。
最近では異業種参入が認められましたので、新しい観点からの金利ビジネスが生まれてくる可能性もあります。しかし、金利に関しても十分な知識と経験が必要であり、新規参入がすぐに金利ビジネスの活性化に結びつくわけではありません。
金利のビジネス化には、どうしても信用リスクの分析が必要となります。日本の場合、金利ビジネスが育ってこなかった1つの理由に、この信用リスク分析の必要性が正しく認識されなかったことも挙げられるでしょう。
金利とはお金の値段であり、時間と信用度の関数です。銀行は不動産しか見てきませんでした。
証券会社は自分でお金の値段をつけることを考えてきませんでした。金融マーケットの役目は、信用リスクを分析し、金利というお金の値段を考えることです。
これは金融マーケットが出現した時から変化していません。私たちはバブルという横道にそれてしまったためにマーケットは進化して変質したのだと思い込んだのかもしれません。
しかし、信用リスクをベースとするマーケットの本質は実は何も変化していなかったのです。さまざまな金融マーケット短期・中長期金利からベーシス取引まで金融マーケットは、短期金利市場、中長期金利市場、デリバティブ、ドル・円・ベーシスなどさまざまなものがあります。

マーケットの理解にはイールドカーブとクレジットカーブが欠かせません。また、後半ではデットマーケットの構成についてとりあげます。
金利のマーケット金利のマーケットと言えば、短期金利と中長期金利の2つを別々に説明する必要があります。短期金利とは数カ月あるいは長くとも1年を超えない期間の金利を指すのが普通で、ほぼ政策金利に等しい水準です。
日銀がゼロ金利と言っているときに短期金利が3%や5%になることはまずありません。代表的な短期金利のマーケットである銀行間のコール市場(円資金のマーケット)やCP(コマーシャルペーパー)、CD(譲渡性預金)の世界は、ほぼ中央銀行の政策に連動します。
国債の貸借市場も同じです。CPなどよほど発行体の信用力が劣るときには大きな信用リスクプレミアムもつくでしょうが、それは例外的、個別的な話です。
短期金利は他のマーケットに比べると変動性に乏しく、あえて言えば中央銀行の心を読みながら、そして公定歩合の動向を見ながらゆっくりと動く戦艦のような市場です。これに比べると、中長期の金利すなわち債券(国債など)の値動きはもっと自由です。
短期金利から離れるほどに自由度を増していくようなところがあります。日本では国債の大量の発行の必要性に伴い、2年から30年まで国債の満期に多様性を持たせることによって円滑な消化を図ってきました。
投資家が自らのリスク選好を尺度に、期間を選べるようになったのです。したがって金利水準も投資家の動き方次第で決まってくることになります。
金利が自由でなかったころの日本の金利体系は4畳半金利体系と呼ばれ、債券の金利水準も政策金利にかなり影響を受けていました。しかし、国債がマーケット化したことによって、中長期金利はお金を運用する人の思惑が強く反映されるようになりました。
現在日本の国債の大量発行が問題になっています。現実にそれを購入する人がいる限り消化には問題ないという意見もあれば、財政的に取り返しのつかないところまで赤字が累積していると懸念する人もいます。

世界有数の格付け会社でも意見が分かれるほど、日本国債は難しい問題を抱えています。

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